「第23回文化講演会」を開催
令和8年2月7日、熊本県支部の重要イベントである「文化講演会」を開催しました。この催しは平成13年に始まり、今回で23回目を迎えます。会場の水前寺共済会館グレーシア(熊本市)には、校友約60名が集いました。
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今回は、天草地域で唯一現存する酒蔵として創業126年を誇る合名会社天草酒造四代目蔵元、平下豊氏(平成12年醸造学科卒)を講師に迎え、「焼酎を通して天草の魅力を世界へ」と題してご講演いただきました。
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平下氏は東京農大卒業後、家業である天草酒造に入り、焼酎の製造・販売に従事する一方、過疎化が進む地域の現状に強い危機感を抱き、地域活性化にも積極的に取り組んでいます。講演では、焼酎業界を取り巻く情勢変化に対応しながらも、「手造り」にこだわり、麹を手仕込みや常圧蒸留による原料の特性を生かした酒造りを追求していることが紹介されました。独自性を磨くことで他の焼酎製造業者との差別化を図っていることに、参加者は深く感銘を受けました。
また、自社の焼酎をきっかけの一つとして、天草の認知度を向上させるため、地元企業経営者らと地域おこし団体「新和グッドカンパニー」を設立し、地域の食と文化を楽しむイベント「新和deKANPAI」の開催や、直売所「カンパイ アマクサ」の設置など、天草の魅力発信に努めていることが紹介されました。
さらに、「天草の発展なしに天草酒造の発展はありえない」との強い思いから、今後は地域の産業振興と地元での原料確保の両面を念頭に、衰退が懸念される地域農業の復活に向けて農業生産にも本格的に取り組む考えが示され、参加した校友への協力が呼びかけられました。
平下氏の講演後には、天草酒造と提携する「たちばな酒店」を経営する田尻智也氏(平成15年醸造科学科卒)より、高級飲食店を国内外で展開する「ONODERAフードサービス」と県内3つの酒蔵が連携し、原材料である米・芋・水・酵母まで熊本県産にこだわったオリジナルの酒造りを行うプロジェクトの紹介がありました。芋焼酎は天草酒造の平下氏が担い、供給先である「銀座おのでら」を通じて世界に広がる可能性をも期待されることなどが紹介されました。
プロジェクトを紹介する「たちばな酒店」田尻智也氏
今回は、校友が実践している地域活性化の取り組みに参加者全員刺激を受けた講演となり、母校の建学の精神「人物を畑に還す」が県内に着実に根付き、熊本を牽引する大きな力となっていることを校友自らが再認識する機会となりました。
講演に先立ち、今年度新会員となった德永佳瑛さん(令和7年デザイン農学科卒)の紹介と、今春東京農業大学に進学する住野元さんの激励も行われました。住野さんは、将来家業の農業を継ぐ決意とともに、農大で学びたい内容や将来の夢・抱負を熱く語りました。今後の農大生の将来は益々希望が持てると実感しました。
講演会後の懇親会では、天草酒造の思いが込められた3銘柄(米、芋、麦)の焼酎を堪能しました。締めくくりの学歌斉唱では、今年度親子三代表彰を受けた野尻勇氏(平成3年農学卒)がエールを担当し、和やかな中で宴は終了しました。
熊本県支部では、今後も校友の期待に応え、母校の発展にも寄与する活動に取り組んで参りますので、ご理解とご協力をよろしくお願いします。
エールを送る野尻勇氏 |
参加者全員で学歌を斉唱 |
(報告者)東京農大校友会熊本県支部
副支部長 山中典和
















